東京街歩き高低差研究所

ブラタモリに憧れて国土地理院の海抜と江戸古地図を頼りにフラフラと。

江戸城外堀跡を探る②

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JR四谷駅を麹町口から出たところがまさに四谷見附の桝形門があったあたり。ちょうど四角いスペースが残されています。四谷葉方面に信号を渡ったところに石垣も残っています。四谷見附からまっすぐ新宿通りが皇居(江戸城)の方に伸びていて、つきあたりが半蔵門。四谷見附の海抜は31m

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新宿通りを渡って土手に登って外堀を見ると上智大学の真田濠グラウンドになっています。前回の喰違見附から四谷方面に見えていたグラウンドで、もともとは四谷濠(真田濠)と呼ばれた外堀跡です。

濠を渡って反対に飯田橋方面にいくと外濠公園という公演が整備されていてテニスコートやグラウンドが続きます。高低差的にはここから下り坂です。

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もう一度四谷見附跡に戻って外濠沿いに飯田橋方面に歩きます。土手の上に遊歩道がありますがこちらも市ヶ谷方面に向かって下り坂です。総武線の電車が見えます。しばらくいくとまた水面が出てきます。

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写真は市ヶ谷橋から四谷方向をみた市ヶ谷濠。JR市ヶ谷駅と市ヶ谷交番のあたりに市ヶ谷見附はあったみたいです。高度は19m程度。現在は橋を渡った先で発掘された石垣石の一部が置かれています。ちなみに南北線市ヶ谷駅構内に「江戸歴史散歩コーナー」という施設があるそうです。

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 市谷橋は堰堤となっておりここで濠は隔てられ、橋の左右で高低差がうまれています。四谷側に比べて飯田橋側は数メートル低くなっていて市ヶ谷フィッシュセンターという釣り堀もあります。数人へら鮒釣り師のような方が座っています。

ここから先はもともと牛込濠と呼ばれていましたが、明治の中ごろ市ヶ谷橋と牛込橋の間に新見附橋という堰堤の橋がかけられ濠も二分されました。市ヶ谷寄りを新見附濠飯田橋よりを牛込濠と呼ぶようになっています。一応新見附橋には水門のようなもの(写真)もあるようです。

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ようやく終点近くの牛込橋。ここまで来ると水面もずいぶん高くなってきています。橋のたもとにはお洒落なカフェもあります。牛込見附飯田橋駅の神楽坂下の交差点を神楽坂とは反対方向に上ったところにあります。橋の左右に桝形門の石垣が残っています。こちらの海抜は12m程度ずいぶん低くなってきましたね。

四谷濠(真田濠)、市ヶ谷濠、新見附濠、牛込濠と外堀跡を進んできました。各堀は橋の堰提で一部水門は残して仕切られてましたがその水面の高さも19m→13m→4m→3.5mと変化してきました。喰違見附が高度としては一番高い位置なので当然と言えば当然ですが。

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さて牛込濠の水は最終的に今は埋め立てられ地下に暗渠となっている飯田濠に流れ落ちて飯田橋の交差点付近で神田川に合流しています。飯田濠の埋め立てには反対もあったみたいですが名残を残すかたちで暗渠の上にたったビルと外堀通りの間にせせらぎ公園があります。この水も飯田橋交差点付近で神田川に合流しています。

江戸時代には江戸湊から隅田川神田川をへてここまで船が上がってきたそうでこの付近には神楽河岸揚場町といった地名が残っています。ここより上流の神田川(当時は江戸川)は鯉が有名で御留川として禁漁になっていたそうですが、この飯田橋付近で合流した水域に落ちた鯉については放免とされたため釣り人で賑わったそうです。

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江戸古地図(旧水戸徳川家上屋敷小石川後楽園より)

高低差を気にせず平面の地図だけ見ていると、江戸城外堀の西側部分は神田川飯田橋付近で分岐して市ヶ谷、四谷、赤坂、溜池、虎ノ門を経て海に流れていると思ってましたが喰違見附の最高点を基準に赤坂から海方面への流れと、北側に上って神田川へ合流する流れがあったんですね。

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